
3ヶ月ほど前の朝のこと。
パートナーのスマホのアシスタント機能が長時間にわたって暴走してしまいました。
どんな操作をしても解除ができず。
機械的な音声が一定の調子で発話を続けていました。
文字通りなす術もなく。現代に生きる人にとってスマホは常に持ち歩くもので。ある意味身体の一部と言っても過言ではないかもしれません。
そんなスマホを放り投げる訳にいかず、音量が制御できないスマホから逃げ出すこともできませんでした。
トラウマは逃げるも戦うもできず、能動的な選択肢が取れない時に陥ります。
それはまさしくトラウマティックな状況でした。
2時間以上が経過したところで収まったのですが、機会的な音声が耳に残ってしばらくの間不快な感覚が続いていました。
幸い時間にゆとりがあったので、心と身体に時間とスペースを作ってあげることができました。
それでも。
収まってから数時間が経過しても、自分の身体がまだ活性化しているのに気づきました。
何か引き金を引かれたままの感覚、というのでしょうか。
断片的な感覚としてコントロール不全の嫌な感じで。
そうなんです、制御不能は人間に無力感を感じさせたり、無力感を想起させたりするのです。
以前にブログに書きましたが、発達性トラウマ持ちは原因と結果が結びつかないと落ち着きません。

状況の改善を試みても無慈悲な音声が一向に取り合ってくれない状況はコントロールの不全の過去を想起させるのに十分なトリガーだったのです。
こんな時はグラウンディングが大事ですね。
足裏をにぎにぎして地面を掴む、しっかり立ってみるなど。
そして自分でコントロールできていることを小さなことから確認するのも良いですね。
特に呼吸は比較的簡単にコントロールできるのでおすすめです。
呼吸に集中することで「いま・ここ」に集中できるようになります。
過去に囚われている時は頭では過去の過ぎ去ったことと理解していても、身体はいまこの瞬間で起こっている出来事と判断して身体的な反応をします。
自覚的に吸う息と吐く息に集中すると、コントロール不全だったことは過去でもう過ぎ去ったことを思い出すスペースを作ってくれます。
上に挙げた対処法は自己調整の一種です。
ストレスに晒された際の回復ツールとも言えます。
SE™︎セッションでもその人の神経系のパターンに合わせた自己調整をいくつかご案内しています。
セッションは多くても週に2回程度です。
それ以外でお一人で過ごす時間の方が断然多いので、自己調整は日常を円滑に送るうえで有効なツールとなります。

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